広報予算は、「売上の何%」から決めるのではなく、目標、必要な施策、施策ごとの工数と費用を積み上げ、使える上限と照らして調整する順で決めると、社内に説明しやすく、見直しもしやすくなります。中小企業が最初に決める項目と、目標から逆算する手順、最初の6か月の考え方をまとめます。
広報予算には、何が含まれる?
広報の費用は、外部に支払うお金だけではありません。社内の作業時間も費用に含めて考えると、抜け漏れを防げます。
| 項目 | 含まれるもの | 決め方 |
|---|---|---|
| 社内の工数 | 担当者の作業時間、確認・承認にかかる時間 | 月あたりの作業時間を見積もり、人件費に換算する |
| 配信・ツール | プレスリリース配信サービスの利用料、メディアリスト、計測ツール | 配信本数×1本あたりの料金。利用するサービスの料金表で確認する |
| 素材の制作 | 写真、図表、動画、デザイン | 施策ごとに必要な素材の数を数える |
| 調査 | アンケートの実施費、集計 | 調査の回数、対象者の条件、サンプル数で決める |
| 外部の支援 | 広報支援会社への委託費 | 月額×契約期間で見積もる |
| 取材対応・その他 | 発表会、サンプルの発送、郵送費 | 実施の有無と回数で決める |
最初から全項目を埋める必要はありません。「社内の工数」と「配信・ツール」を先に決め、足りない部分を外部の支援や調査で補う形が進めやすい順番です。
目標から逆算して、予算はどう決める?
次の5つの手順で、目標から費用を積み上げます。〔 〕は自社の内容に置き換えてください。
| 手順 | 決めること | 記入の型 |
|---|---|---|
| 1. 目標を決める | 誰に、何を、いつまでに知ってもらうか | 〔時期〕までに、〔対象〕に〔商品・サービス〕を知ってもらう |
| 2. 必要な施策を決める | 目標に近づく発信の種類と本数 | 月〔 〕本のリリース、年〔 〕回の調査 |
| 3. 施策ごとの費用を出す | 1回あたりの費用×回数 | 〔1本あたりの費用〕×〔本数〕+〔素材の費用〕 |
| 4. 任せる範囲を決める | 社内で行う業務と、外部に任せる業務 | 情報整理は社内、原稿作成と配信は外部 |
| 5. 上限と照らして調整する | 使える金額に収まるように、施策の本数や範囲を見直す | 〔上限額〕に収まるよう、〔施策〕を〔 〕に減らす |
手順3の「1回あたりの費用」は、見積もりや料金表で確認した金額を入れます。相場の数字を先に置くと、自社の目標とずれやすくなるため、先に目標と施策を決めてから金額を当てはめます。
予算の枠は、売上の一定割合で決められる?
売上の一定割合で枠を決める方法もありますが、本コラムでは、広報に当てはまる一律の割合は示しません。広告のように出稿量で露出が決まるものではなく、取材・掲載は各媒体の編集判断によるためです。
また、成果を広告費に換算した額だけで測ることにも注意が必要です。広報の測定の枠組みであるAMECの「バルセロナ原則3.0」は、アウトプット、アウトカム、潜在的なインパクトを区別して捉えることを原則に含めています(AMEC)。予算を決めるときも、「何本出すか」だけでなく、「何を変えたいか」という目標から考えます。成果の見方は広報のKPIとは?設定方法・指標一覧と具体例(テンプレート)で整理しています。
最初の6か月は、どの規模で始める?
最初の6か月は、成果の出方を確認する期間と考え、小さく始めて見直すのが進めやすい方法です。規模は3段階で考えられます。
| 段階 | 含める施策の例 | 向いている状態 |
|---|---|---|
| 小さく始める | 社内でリリースを月1本。配信費と、素材の制作費 | 担当者に作業時間がある。まず発信の習慣をつくりたい |
| 標準 | リリースを月1〜3本、外部と分担して作成・配信。年1回の調査 | 担当者の時間が限られ、原稿作成を任せたい |
| 広げる | 標準に加え、記者への個別アプローチ、独自調査、プロダクトプレイスメントなど | 認知の拡大や、案件の獲得に向けて施策を増やしたい |
クレステップの広報伴走支援は、月額15万円〜(税別)、契約期間6か月〜です。6か月で見ると、最低でも90万円〜になります(月額15万円×6か月)。月1回のMTG、プレスリリースの企画・原稿作成・配信代行(月1〜3本)、SNS運用に関する対応が基本です。配信サービスの利用料は別途実費、記者への個別アプローチは別途お見積りです。外注の費用の内訳はプレスリリース作成を外注する前に決めること|費用相場と依頼範囲で整理しています。
予算が限られているとき、何を優先する?
上限が低い場合は、次の順で優先度を考えます。
| 優先度 | 施策 | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | 発信する情報の棚卸しと、プレスリリース1本 | 少ない費用で、発信の土台がつくれる |
| 中 | 外部への原稿作成・配信の分担 | 担当者の作業時間が足りないときに、継続しやすくなる |
| 中 | 記者との接点づくり | 配信後の反応を見て、次の発信を改善できる |
| 低(余力に応じて) | 独自調査、プロダクトプレイスメント | 費用と準備期間が大きいため、目標が決まってから追加する |
専任者がいない状態で何から始めるかは、広報担当者がいない会社が今すぐできる広報活動5選で整理しています。年間の計画に落とし込む方法は広報の年間計画の立て方|テンプレート例と広報カレンダーで解説しています。
決めた予算を、社内で説明するには?
予算の枠を決めたら、稟議や経営層への説明で、費用の根拠と成果の示し方を整理します。7項目の構成案と、よく出る反論への答え方は広報の外注を社内で通すには?稟議・経営層への説明で押さえる項目で解説しています。
クレステップに相談できることは?
クレステップの広報伴走支援は、予算の枠が決まっていない段階でもご相談いただけます。支援の実績は広報・PR支援実績でご紹介しています。現在の課題と体制を伺い、支援範囲とお見積りをご提案します。何を任せればよいか決まっていなくても大丈夫です。基本の範囲以外の内容も、個別のご相談で実施も可能です。取材・掲載は各媒体の編集判断によるもので、売上や認知度の向上をお約束するものではありません。サービスごとの対応範囲はクレステップの対応範囲|広報伴走支援・FACT DASH・アレイーナ!でできることで整理しています。

